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2006年01月15日

「森のまつり」14町内の屋台“龍生社”

森のまつり、「14町内の屋台」紹介、第7弾は、“龍生社”(西幸町町内会)です。

“新屋台建設”の気運は一気に高まり、昭和54年度祭典終了後、屋台建設委員会が結成されたのである。

屋台の建設資材は町内有志5名の方々より立木が寄贈される事となった。建設委員をはじめ、町内の人々が現地に出掛けて立木を伐採し、葉枯しをした後、磐田の屋台工匠・小乗新太郎のもとへ運びこんだ。
文字通り、町内手作りの屋台といっていい。

向天方出身、小栗新太郎の卓越した技術により、昭和55年10月、白木屋台が完成した。

「森のまつり」14町内の屋台“龍生社”

完成当初彫りも満足に付けられておらず、ほとんど白木に提灯といった屋台であったが、町内の人々の喜びは絶大なるものであった。
その後少しづつ彫りが入れられ、昭和59年10月塗装完了、ここに龍生社初代屋台の落慶をみたのである。

この屋台を一言でいうと、昭和初期の屋台を豪華に再現したものといえる。
その理由は二つある。ひとつは支輪である。

昭和4年に北街社の屋台が造られた時初めて支輪がつけられ、それまでは欄間から上が階段状に組まれているだけであった。
今からみるとまるで屋台がベレ-帽をかぶったように見えるから不思議だ。

その後造られた屋台には必ず支輪がつけられるようになったが、この龍生社の支輪は更に大きくしかも四ツ角の組に特徴がある。
普通この四ツ角の組は3本の木で組まれているが、龍生社は7本の木で組まれている。
その分だけ高欄が大きく造られている為、高欄前面には19個のてっぽう提灯がずらりと並ぶ。

他社のてっぽう提灯は17個が普通であるが、特に大きな凱生社、藤雲社は19個、更に昭和56年の大改修時に支輪を大きく造り変えた沿海社にもやはり19個の提灯がついている。
龍生社は明開社に似た細身の屋台のわりに、支輪が大きく造られているというのが豪華になった理由のひとつである。

そしてもうひとつの理由は彫刻にある。

第2次屋台新築期(大正11年~昭和11年)に造られた屋台のうち沿海社、北街社、明開社、慶雲社の4社に当時掛川在住の彫刻師・早瀬利三郎の作品がつけられたのであるが、龍生社の彫りを彫ったのは早頼利三郎の息子、早瀬宏なのである。

昔の彫刻の良さを受けつぎ、その細かさといったら類がない。
彫刻は細かければ細かい程その評価は高いのであるが、最近の森の屋台は彫刻の損傷を恐れて大きく彫られている。
龍生社は細身の屋台に大きな支輪、そして昔ながらの細かな彫刻がその特徴であり、昔の屋台を豪華に再現したものといえるのではないだろうか。

ではその早瀬宏の芸術的作品を見てみよう。

右の御簾脇には湊川の戦いに出陣する楠木正成がおり、左の御簾脇には新田義貞が黄金づくりの太刀を海へ投げ入れている。
正面欄間には加藤清正の虎退治を配しているが、この虎に特徴がある。虎の体は黄色く着色され黒のしま模様が描かれているのだ。

彫刻に色がついているのは非常にめずらしく、そのおかげでこの虎は3D的に飛び出して見える。トリックアートとでも言うべきだろうか。

更に支輪には十二支と恵比寿、大黒天を配し、左右の欄間と後欄間にはぐるりと秀吉の「太閤記」がその画題となっている。
ここに一つの画題でまとめているのは他に桑水社の「桃太郎の絵物語」があり、これも昔の屋台の構図を継承しているといえる。

屋台の製作者小栗新太郎と早瀬宏は30年来の付き合いであり、小栗の造った屋台には必ず早瀬の彫りがつけられるという。2人のみごとなまでに息の合った作品はこれからも引かれ続ける。

ちなみに、龍生社は小粟新太郎と早瀬宏の作品であるが、明開社は小栗富太郎と早瀬利三郎の作品である。しかし早瀬は親子であるが、小栗は何ら関係ない。筆者の期待は見事に裏切られた。(余談)

地図はこちら

こちらの紹介文は、“森の祭り”ホームページから引用、著作権は、大庭学氏(森町・下宿出身)が有しております。

次回は、“谷本社”(城下町内会)の紹介です。





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この記事へのコメント

■ j-skip

この前はお世話になりました。とても楽しかったです。

Posted by j-skip at 2006年01月15日 23:27

■ ビープロ

こちらこそありがとうございました。m(__)m
次回(26日)もお待ちしております!

Posted by ビープロ at 2006年01月16日 00:43