大河ドラマ・天地人 第30回「女たちの上洛」
NHK大河ドラマ・
天地人。
今週のOAは、第30回「女たちの上洛」。
時は、天正18年(1590年)。
小田原・
北条家が滅亡し、その後の
奥州仕置を経て
豊臣秀吉による天下統一が実現します。
北条征伐を終え、
越後へ凱旋した
上杉軍。
直江兼続は、妻・
お船と久しぶりの対面をし、これで戦の無い平和な世が訪れると、安堵の思いを口にします。
その頃、京・
聚楽第では、秀吉が自らの権勢を更に強固なものにしようと、様々な手立てを
石田三成ら側近に命じていました。
その一つが、諸大名の奥方の上洛の命。
当然、それは
上杉景勝正室・
菊姫にも命じられ、報を受けた景勝は、菊姫に対し上洛を促す説得をしますが、菊姫はそれを拒否します。
なぜ、そこまで頑なに拒むのか・・・ 菊姫の気持ちを察したお船は、自らが説得することを申し出ます。
翌天正19年(1591年)、景勝と兼続は再度上洛をします。
聚楽第にて秀吉を謁見した際にも、菊姫の上洛を催促された景勝は、必ず説得する旨を約束します。
京の上杉邸に戻った景勝と兼続は、兼続弟・
大国実頼から、上方での秀吉の隆盛ぶりを聞かされ、
千利休が反逆の罪で蟄居、屋敷に監禁されていることを知らされます。 利休の影響力を警戒した、秀吉が取った策だったのです。
兼続らは、
豊臣秀長の死後、秀吉を諌める者が皆無の状態になっていることを危惧していました。
そして、利休邸の警護を命じられた景勝と兼続は、利休のもとを訪ねます。
景勝と対面した利休は、茶の湯の心を守るため運命を受け入れる覚悟であることを話し、利休の娘・お涼は、その理不尽さを兼続に吐露・・・ 二日後、利休は切腹しこの世を去ります。
利休の死に納得がいかない兼続は、三成のもとを訪ねます。
兼続は、こんなやり方を続けていれば天下太平に綻びが生じると訴えますが、三成は、「太平の世のためにやむを得ない・・・」と譲りません。
「情を忘れれば人はついてこない」と、兼続は反論するのですが・・・
一方、二人の留守中も菊姫を説得していたお船は、二人目の子供を出産。
自らもお産に立ち会った菊姫は、お船の出産を我が事のように喜びます。
そして、自分も景勝との子供を望んでいることを、お船に打ち明けるのです。
やがて、越後に戻った景勝と兼続は、
仙桃院も含めて利休のことを持ち出し菊姫を説得します。
それでも応じない菊姫に対し、ついに、景勝は主命として上洛を命じます。
驚愕する菊姫・・・ 菊姫は、失意のうちに自害を図ろうとしますが、それを察したお船が、寸でのところで阻止。 泣き崩れる菊姫を憂いたお船は、自らも上洛のお供をすることを決意するのです。
お船の決意に驚いた兼続でしたが、「この上洛が子どもたちの幸せにつながる・・・」とのお船の思いに、送り出すことを決めるのです。
そして、天正19年7月、菊姫とお船は上洛の途に就いたのでした・・・
この時代、諸大名たちは肉親や子供、奥方を人質に出すことが、主君への忠義の証とされていました。
大名の奥方として嫁いだ女性たちは、それを運命(さだめ)として受け入れるしかなかったのです。
武田の姫として生まれ育った菊姫も、景勝のもとに嫁いだ時からそのことは分かっていたのですが、大名の妻としての立場より、一人の女性として景勝を慕う心を抑え切ることが出来なかったのでしょう。
そんな、菊姫の気持ちを察したお船・・・ 我が夫が、「愛」の旗印を掲げ主・景勝に尽くしているのに倣い、自らも菊姫に尽くそうという、執政・兼続の妻としての気持ちの表れであったのです。
戦乱の世、武家の女たちもこうしたもう一つの戦いを行なっていたのですね・・・
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