NHK大河ドラマ・
天地人。
今週のOAは、
第7回「母の願い」。
陣中でいさかいを起こし、御屋形・
上杉謙信から蟄居を命じられた
樋口兼続は、失意の中
越後へ帰却。
上田庄・
雲洞庵にこもり、自らを見つめなおす日々を過ごしている中、弟・
与七が兼続の許を訪ねてきました。
母・お藤の容態が良くないことを伝えに来た与七は、帰ってくるように兼続を説得しますが、自らは謹慎中の身、勝手な真似は出来ないと説得を拒みます。
人一倍母親思いである兼続が、お藤のことが心配でないわけが無いのですが、主君・
上杉景勝に仕える身となったからには私事を理由に実家に帰ることなど出来ないと、自身で葛藤をしていたのでした。
その頃、上杉軍は織田軍がこもる
七尾城を包囲。落城は時間の問題でしたが、季節は冬で思うように身動きが取れない状況でした。
そんな中、
北条氏政が関東侵略を再開し出したため、上杉軍は七尾城攻めを中断し
春日山へ帰還します。
帰還した謙信の許に家老・
直江景綱が現れ、大事な戦に参戦出来ないことを謙信に詫びますが、逆に謙信はこれまでの労をねぎらい、「そなたこそがわしの第一の家臣じゃ」と感謝の意を表します。
感激した景綱は、娘・
お船の婚儀を進めながら直江家の行く末を娘婿・
信綱に託しこの世を去ります。
その後、上杉軍は北条軍の関東侵略を抑えた後七尾城攻めを再開。信綱もこれに加わります。
一方、兼続は雲洞庵で相変わらず自らを見つめなおす日々を送っていましたが、そこに母危篤の知らせが兼続の元に届きます。
自らの迷いから、それでも帰ろうとしない兼続に住職・
北高全祝は、「己の真を見つめ、それに従え」と叱咤します。
全祝の叱咤で目が覚めた兼続は、急ぎ母の元へ。何とか臨終に間に合いましたが、己の気の迷いから母との再会を遅らせ、親不孝をしてしまった自分を責めるのです。
そして、お藤の四十九日の法要が営まれ、お船もそれに参列します。
兼続父・
惣右衛門は参列のお礼を述べ、お船を送っていくよう兼続に命じます。
お船を送っていく道中、兼続は季節外れの蛍を見かけますが、それは母・お藤が魂となって兼続の前に現れたもの。
道中にそびえる紅葉の木を見た兼続は、母の教えを思い出していました・・・
山に生える木々は、厳しい冬を乗り越えなくてはならない。紅葉が鮮やかに赤く染まるのは、その代償。
お藤は、「紅葉のように(人のために尽くす)家臣になりなさい」と幼い頃の兼続に説いたのです。
母の言葉を思い出した兼続は、迷いを断ち二度と涙を見せまいと、お船の前で心に誓ったのでした。
「もう少し早く、父・景綱がその言葉を聞いていれば・・・」とお船が漏らした言葉に、秘かに想い合いながらも添い遂げられなかった二人の気持ちが表れていました。
後年、二人が二人三脚でこの世を渡っていくことになることなど、この時の二人は露ほども感じていなかったでしょう・・・