遠州森のまつり“第三日目「千秋楽」パート3”
いよいよ今週末に行なわれる、
遠州森のまつり。
「11月2日(金)、3日(土・祝)、4日(日)の3日間」
10月28日の記事、
10月29日の記事に引き続き、
お祭り前の話題として、第三日目「千秋楽」の話題を紹介します。
夕方5時頃、各社屋台は舞児(まいこ)を
三島神社へお迎えに上がるため、会所を出発。
藤雲社(
栄町)ではこの際、祭典の三日間、いや一年間裏方として社を支えてくれた若衆・幹事長に、感謝の意を込めて屋台正面の欄干に乗せ、三島神社まで上るというのが通例となっています。
各社、最後のお宮上りということで、威勢の良い掛け声と共に勇壮な引き廻しで、三島神社へと上っていきます。
この後、森のまつり最大の神事、
舞児還しが行なわれます!
午後5時半頃、各社屋台三島神社へ到着。
神社本殿では、社長、頭取をはじめ、役員の面々がやや緊張した面持ちで、舞児還しの出発に備えます。
各社社長は、舞児を担ぐため襷を締めて準備を整え・・・ 誰よりも緊張しているのは社長。歴代社長を務めた先輩たちに励まされ、緊張と重圧を和らげるため深呼吸・・・ 自社の出発を待ちます。
午後6時、合図の花火が打ち上がり、いよいよ舞児還しが始まります。
「○○社、お願いします!」と、年番社長が告げると、社長が本殿の板の間に上がり(舞児のいる畳の間には社長は上がれないのです)、両手両膝を着いて、「○○社、お迎えに上がりました!」と声を発します。
「ご苦労様です、よろしくお願いします!」と、氏子総代(乙女神楽舞、朝日舞の場合)もしくは神社担当(浦安舞の場合)が応えると、社長による「○○社舞児、○○さん、ばんざ~い!ばんざ~い!ばんざ~い!!」の万歳三唱。周りの皆も高々と声を発し、「よいしょっ!よいしょっ!」の掛け声が始まり、社長、副社長らが舞児を大事に担ぎ上げます。
進行係が先導し、社長、副社長らに担がれて守られた舞児は、神社の坂をゆっくりと下り、屋台の待つ神社下の広場へと。
屋台周りで待ち構えていた面々も、「よいしょっ!よいしょっ!」の威勢の良い掛け声で、舞児を迎えます。
大切に、屋台正面の欄干中央に舞児を乗せると、向かって右側に社長、左側に氏子総代もしくは神社担当が乗り、手木師の「せ~の!」の掛け声と共に屋台の手木が上がり、いよいよ舞児還しの出発。「よっしょりゃ!こりゃこりゃ!」の威勢の良い掛け声と共に、神社を出て舞児宅(実際は各町内の公民館)へと向かいます。
神の子である舞児を乗せた屋台は、舞児宅に着くまで手木を絶対に下ろしてはならない!森のまつりが最高潮に盛り上がる瞬間です!!
~ 宵の三嶋に迎えの屋台 降る石段 真一文字 ~
進行係に先導され舞児を乗せた屋台は、自町内にお披露目の町内廻りを勇壮かつ賑々しく行ない、舞児両親の待つ公民館へ。
そして、屋台が公民館前まで着くと高欄から紙吹雪が舞い、屋台が上下に揺らされ、周りから「よっしょりゃ!こりゃこりゃ!」の掛け声、手拍子、拍手、「○○ちゃ~ん!」と舞児の名を呼ぶ歓声など・・・ まさに盛り上がりは最高潮!
屋台の手木が下げられ、社長、副社長らが再び舞児を担ぎ上げて公民館の大広間に・・・ そこにはご両親が待っています。
社長らの手により、大切に守られ自町内に帰還した舞児は、ここで晴れてご両親と対面しますが、まだこの時点では神の子・・・ まだご両親の元へは還れません。そして、舞児帰宅式が執り行なわれます。
氏子総代(もしくは神社担当の)挨拶から始まった舞児帰宅式は、続いて社長挨拶へ・・・ 「舞児○○さんを、ご両親の元へお還しいたします!」(実際はもう少し長いですが)の口上に、「お~!」の歓声と拍手が挙がり、これにより舞児は晴れてご両親の元へと還されます。
続いて、舞児父、舞児による御礼のご挨拶、神社手締めと続き、最後に万歳三唱で舞児帰宅式が閉められます。
周りからは再び、「よいしょっ!よいしょっ!」の掛け声が!そして社長や頭取、舞児父などの胴上げのパフォーマンスなど・・・ まだまだ皆の興奮は覚めやらぬといったところです。
帰宅式終了後、舞児、舞児父、頭取、そして社長による鏡割り。御神酒が振る舞われ、町内関係者などの手により用意されたおつまみ、お酒などをいただきながら、皆での談笑タイム・・・ 最大神事の緊張から解き放たれ、飲めや食いやで再び鋭気を養います。
充分に休憩を取って、そして再び屋台が出発。町の中心部へと屋台が上り、いよいよ最後の練り、最後の夜祭りです!
パート4へ続く・・・
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